高齢者のスポーツ・健康づくり地域活動等推進組織づくり事業
≪自主企画事業の実施≫
自主企画事業の活動紹介と視察レポート
レポートC 「お話ししましょ。」オレンジの会
○事業名 地域の居場所づくり事業
○視察時間 令和元年12月10日(火)
○活動場所 夕張市
○視察員 自主企画事業審議委員会委員 樋口郁子
1.事業計画との対比
令和元年に設立した「お話ししましょ。」オレンジの会は、矢口さんを代表に会員数17名で結成されたボランティアグループです。
これまで終活に関わる講座や認知症カフェを試験的に行ってきた経験を踏まえ、高齢者や在宅障がい者等に対して、地域で安心して暮らせる社会の実現に
寄与することを目指します。
視察した日の参加者は22名(男性7名、女性15名)でした。多い時は30名ほど集まるそうです。 スタッフの皆さんによるゲームやレクリエーションは大盛り上がりでした。この日のメニューも盛りだくさん。
夕張市の昔の風景写真を見ながら、これはどこの場所なのかを思い出したり、今年はどんな出来事があったかを振り返って、写真と出来事を結びつけました。
また、全国都道府県名を考える頭の体操では、ホワイトボードに書かれたひらがなを組み合わせて、次々と回答が飛び出しました。
この日の介護予防体操では指を動かす体操を行い、「思い通りに指が動かせない!」とみんなで大笑いしました。最後のレクリエーションでは2チームに分かれて対抗戦を行いました。新聞紙で作った棒を投げて得点を競い合いましたが、お互いに声援を送り、拍手が鳴り止まない賑やかで楽しい時間となりました。
この会では参加者同士がお互い協力することが自然にできているそうです。
誰かが困っていたら、周りがすぐに気付いて手伝ってあげる、それがとても素晴らしいとのことでした。
人から言われてやるのではなく、「気がついたら自分もやっていた」という矢口さんの理想通り、オレンジカフェは助成を受けたことで活気づき、計画通りに順調に進んでいました。
2.地域での広がり
オレンジの会では、会員を「ホスト」、会員が連れてきた人を「ゲスト」と呼んでいます。ホストが声をかけることでゲストの参加が増えているようです。
視察当日は夕張市社会福祉協議会の生活支援コーディネーターの方も参加されていました。
オレンジカフェには遠方からの参加者もいらっしゃるのですが、コーディネーターは広域で住民の繋がりをつくる潤滑油のような役目を担っています。
夕張市はあちこちに集落が点在し、みんなで何かを一緒にやるというのが難しい状況なのだそうです。
コーディネーターは住民の皆さんに離れている町の情報を届け、そこから住民同士を繋いでいます。情報を得た住民の皆さんは「じゃあ、ちょっと行ってみようか」という気持ちになり、離れた場所に出向き、そこで集まった仲間と一緒に楽しい時間を過ごしています。
このように、オレンジの会と活動の拠点であるレインボーハウス、そして社会福祉協議会との連携がしっかり取れている地域の中での広がりが見られています。
3.課題や展望
オレンジカフェは、オレンジの会が、住民を受け入れる体制を整えているレインボーハウスと、住民同士を繋いでくれる社会福祉協議会との連携がしっかり取れていることで定着してきています。
矢口さんは「安心して生活できる夕張にしていきたい」と考えています。オレンジカフェは夕張市にとって安心できる集いの場として、今後の継続と発展が期待されます。
4.参加者又は会員の声
参加者(ゲスト)から「楽しいから来る」という声が聞かれました。会員(ホスト)からは「みんなで一緒に同じことをするのはいいね」という声がありました。
オレンジカフェでは誰もが笑顔で生き生きとしていました。
今後も皆さんで楽しく活動を継続していただきたいと思います。